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  隠れている理由

  • 執筆者の写真: Aloha-boy
    Aloha-boy
  • 5月19日
  • 読了時間: 2分































「あれ、こんなふうに写るかな」

と思った貴方は素晴らしい。


ここを撮ったのは真っ昼間。

元の写真では、

プールの水は暗く、

天窓の光が水面に映り込み、

空間が持つ気持ち良さを

うまく伝えられなかった。


僕は一度現場を離れ、

喫茶店で数時間を過ごし、

夜になってから戻ってきた。


そして同じアングルで、

もう一度撮った。


プールの部分だけ、

夜の写真を重ねている。


天窓の反射は消え、

水中ライトが浮かび上がり、

繊細なタイルの表情も見えるようになった。


こういう作業は、

特別なことではない。


カメラマンは皆、

どうすれば美しく見えるか、

どうすれば伝わるかを、

現場でずっと考えている。


偶然うまく撮れた、

ということを

僕はあまり信じていない。


完成度の高い写真には、

必ず理由がある。


どこを残し、

どこを削り、

どこに着地するのか。


その判断と、

それを形にする技術が、

写真の奥に隠れている。


角の中華料理屋の

チャーハンが妙に美味いのも、

きっと同じで。


気が遠くなるほど

フライパンを振り続けた人だけが

辿り着ける感覚があるのだと思う。


昔、

業界で「鬼」と呼ばれていた

ディレクターに、


「諦めるな。死んでも撮れ」


と言われたことがある。


毎日同じ写真を撮り続けた。


苦しくて、

ファインダーを覗きながら

涙が出た。


だんだん腹が立ってきて、


東京に帰ったら、

アンタとは二度と仕事しない、


そう思いながら

シャッターを切っていた。


でも不思議と、

その頃から

写真が変わったと言われるようになった。


強くなった、と。


意志の強さや、

骨太さを感じる、と。


あの時、

自分の中で

何かが壊れたんだと思う。


今の時代、

とても勧められる方法ではない。


でも、

感謝しています。

 
 
 

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